paseo8o7ljの日記

脳直ポストをして気持ちよくなるマン

靴を買いに行った話

 

靴を買いに行った話

 

 少し肌寒くなり、冷房で壊していたお腹が大気で壊れるようになって参りました。そんな日々を繰り返していますと、最近、何もないところで躓くことが多くなったなぁと気づいたわけです。年のせいか、などと呟き、俯いてみると、なるほど靴の底が剥がれかけているではありませんか。そりゃあ躓きもします。靴を買わなければなあ、嫌だなあ、とこぼしながらも僕は靴を買いに行くことに決めました。

 

 靴を買うのは苦手です。足が大きいからです。購入基準は履けるか履けないかです。デザインやメーカーで選ぶことはありません。食べ物に例えるなら、栄養があればなんでもいいといって豆ばかり食べているようなものです。実に素っ気ないものです。

 決して軽くはない足取りで、僕は靴屋へと向かいました。服屋でもあることとは思いますが、店員さんに話しかけられるのも苦手です。でも、早く帰りたかったので、大きい靴の場所を聞いて手っ取り早く済まそうと思いました。

「大きめの普段使いの靴を探しているのですが」

「それでしたらこちらに」

上々の滑り出しです。そもそも大きめの靴のコーナーなんてものはないお店もあります。

「サイズはおいくつですか」

「28.5です」

「こちらなんかどうでしょう…あぁ29.0ですね」

これはよくあります。28.5はないこともあります。それでも履いてみるわけです。私の足は長いというよりも幅と厚みがあるだけなので、案外ちょうどいいかもしれないからです。

「いかがでしょう…ちょっと地味ですかね」

「いえ、これください」

だいたいこんな感じで買い物が終わります。オチはありません。

 

 帰り道を自転車で走っていると、ふと疑問が浮かびました。「なんで足のサイズは長さという一次的な尺度しかないのだろう」と。続けてこう思いました。「せめて幅、厚みの尺度があってくれないと困るなぁ、なんなら柔らかさとか足首の太さとかあってもいいのに」と。

 少し調べてみました。どうやらあるようです。また考え始めます。「じゃあなんでさっきの店にはなかったんだろう」と。それも不思議じゃないのかな。複数の尺度があればより適した靴が見つかる。その反面、適さない靴は売れなくなってしまう。汎用的な大きさの靴をたくさん作った方が安く済みますからね。

 と、適当に自分を納得させて今に至るわけです。実際なぜかは知りません。どうだっていいんです。見方によって変わるものなんて腐るほどありますから。その中の自分の答えを持つこと、そして間違っていることがわかったら訂正する勇気、これぐらい持ち合わせていたら、十分じゃないでしょうか。人間は考える葦であるなら、考えない人間はただの葦ですからね。猿とかもたまに混ざってるけど。

 

 ちなみに私の特技は真面目っぽいことをつらつらと書き連ねることです。おっぱい。